橋下大阪府知事の暴言には呆れるものがある。
 言っても分からない子どもには体罰しても構わない……という趣旨のことを言った。
 学校教育法でも、いや、その施行規則だったかな、体罰は禁止されている。
 法律できちんと禁止されていることに真っ向から挑戦する発言、あるいは知らなかったとは言わせない。なぜなら、一応「弁護士」法曹界のはしくれなんだから。もし「知らなかった」なら不勉強も甚だしい。

 言っても分からないからといって安易に体罰を容認するのは、換言すれば子どもを人間扱いしていないのと同じだ。動物を調教するのと同じだ。
 体罰が行なわれてしまうと、教師と生徒・児童の間の信頼関係にはひびが入る。下手をすれば失われてしまうかもしれない。子どもの気持ちには恐怖心が植えつけられるだろう。
 子どもからすれば、教師は権力なのだ。成績表、という形で評価する、職場で言えば直近の上司と言い換えて差し支えないか…あるいは若干私の喩えには語弊があるかも知れない。その上司が部下に手を出したら、これは立派なパワハラである。夫が妻に、あるいは妻が夫に暴力をふるったら、権力関係の違いこそあれ、これはDVであろう。
 暴力は止めようという世論がこれだけ広まってきているというのに、その精神に真っ向から挑戦する橋下徹さんに、一度聞きたい。

 もしあなたの子どもたちが、学校や幼稚園で先生に殴られたら、どうしますか?と。

 「言っても分からないうちの子をよくぞ殴ってくれました。ありがとうございます。」と感謝の意を表明するんだろうな、当然この人なら(笑)。
 あるいは「多くの親」みたいに、やれ「体罰だ」と言って問題にするのか?
 いやいや、きっと彼の問題発言について、再考される絶好のチャンスだと思うんだけれどもな。
 ところでしかし、学校現場あるいは保育の現場で子どもに対する体罰が駄目な以上、私は橋下徹の子どもも体罰を受けてはならないと思うし、そもそも私が体罰禁止論者であるが故に、先の仮定自体が矛盾であることも百も承知だ。

 大体この人は教育問題については不勉強だし、教育委員会のことを罵倒して問題になったのにも驚いていたが……。教育委員会が良い悪いは別として、長年教育行政や財政に携ってきたわけでもない橋下知事が先輩方のことをクソ呼ばわりすることは全く言語道断である。それに長幼の序というものもあるだろう。マスコミは「風雲児」なんて持ち上げたりしたけれども、私に言わせたら…礼儀知らずで青二才の若者で、全く知事なんかの器じゃない。

 繰り返して、言う。
 体罰は、絶対にやっちゃ駄目だ。
 そこには教育の放棄しかない。
 人間としての子どもを、人間として信頼しよう。
 それが原点だと私は思う。

 

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